プラークは、「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」の2つに分けられます。歯肉から上の、目で見えるプラークが歯肉縁上プラークで、歯と歯肉の間(歯周ポケット)に隠れて、外からは見えないのが歯肉縁下プラークです。歯肉縁上のプラークの細菌を少なくする行為をプラークコントロールと呼んでいます。これは、歯科医院での指導のもと、患者さんに行っていただく治療法で、歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス(糸ようじ)などを用いて、プラークを取り除く方法です。歯肉縁下のプラークコントロールは、歯科医院で行い、これをスケーリング・ルートプレーニングと呼んでいます。この治療の目的は、歯肉縁下の歯面からプラークを除去することのほかに、付着物および歯石を取り除くことも含まれています。歯肉縁上プラークと歯肉縁下プラークは、付着している場所が違うというだけでなく、中にいる細菌の種類も違っています。
歯肉縁上プラークには、虫歯の原因となる菌や、歯石を形成する菌などが住んでいます。歯肉縁下プラークには、歯周炎や、妊娠性歯肉炎の原因となる菌、免疫反応を抑えて歯周炎を悪化させる菌などが、住んでいます。歯肉縁上プラークを取り除くと、歯肉縁下プラークの働きが衰えることがわかってきています。
正しい歯磨きの方法として、一般に「1日3回、食後3分以内に磨く」と言われていますが、忙しい現代人にとっては、なかなか難しいことでもあります。近年の研究で、いったん取り除いたプラークが再び増殖するまでには、24時間以上必要であることがわかってきました。そのため、最近では、たとえ1日1回でも、徹底的に歯の清掃を行ったほうが良いと考えられています。その際には、歯ブラシによるブラッシングだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを用いて、歯ブラシだけでは取り除けない、歯と歯の隙間のプラークも、きちんと取り除くことをお勧めします。仕上げに洗口剤を用いるのも効果的です。プラークをきちんと取り除いて、健康な歯や歯茎を守ってあげることで、歯の寿命は、ずいぶんと違ってきます。いつまでも、自分の歯で噛めるように、毎日のお手入れを習慣づけましょう。また、歯科医院で定期的に、歯石や、自分自身では取り除けない部分のプラークを除去することで、プラークの再付着を予防することも大切です。


歯石は、長い間歯に付いたままになっているプラークに、唾液中のカルシウムなどが沈着し、石のように固まったものです。歯石は虫歯の直接の原因にはなりませんが、歯周病の原因の一つです。歯石の表面は、凸凹していてプラークがたまりやすく、放置すると歯石はさらに厚く硬くなり、除去しにくくなります。